2009年11月26日

旅の記憶------

mori.JPG旅の記憶…久々の更新です。
今回は、屋久島の森を紹介します(^^



トレッキングは3ヵ所、縄文杉のコースと、白谷雲水峡、屋久杉ランドに行きました。
こちらの写真は縄文杉のコースの途中、トロッコ橋の上から撮りました。

屋久島の森は、石も木も、何もかもが苔むしています。
湿気が多くて、所々に清流が流れており、そのまま水が飲める場所も幾つかあります。
屋久杉が多いのですが、植林したものではなく自然に生えたもので(植林した杉もありましたが)、他の種類の木も豊富に生えていますし、杉や別の種類の木の上に寄生している植物もあったり…雑多な雰囲気ですが、本来の森の在り方が、ここにはまだ残っているような感じがしました。



始めに行った縄文杉のコースは整備されていますが、ちょっと大変です。
朝早くから行かないと、日帰りで帰って来られません。往復で十時間くらい掛かるのです。
なので、お弁当などを持って、靴も登山用のものを借りて出かけました。

torokkomichi.JPG現在も土埋木(どまいぼく)を運ぶのに使われているトロッコの線路の上を、ボチボチ歩いていきます。
線路には、板が張ってある部分がありますが、ちょっと注意を反らすと足を踏み外すので、あまりキョロキョロとはしていられません。写真を撮ったりする時は、立ち止まってから…崖の下に落ちて亡くなった方もいらっしゃると聞くと、慎重になります。。。
特に橋では手すりなど手掛かりが何も無い場所も多く、慎重に渡らねばなりません。帰りは足もかなり疲れて覚束無い状態になっていましたから、正直怖かったです。

torokkomichi2.JPG
torokkomichi3.JPG



始めのうちは、所々で道草をしてのんびり歩いていましたが、3時間もの道のりは結構長く感じて、行きはホンの少しだけ登りだった事もあり疲れました。
登山は殆ど経験がありませんでしたが、以前から植物園や動物園でスケッチをする時など、一日中歩き回っている事も多かったので、平坦な道を歩くのは然程苦にならないのですが…トロッコ道3時間+山道2時間の道のりは大変でした。

yamamichi.JPGトロッコ道を過ぎて山道に入ると、岩がゴツゴツしていて根っこもたくさん出ているので、途端に歩くスピードが落ちてしまいます。
ちりは特に平衡感覚が鈍いので、周りに出ている枝や根っこを支えにさせて貰いながら少しづつ登りました。
階段が整備されている場所もありましたが、行き違いの人とすれ違うのがやっとの幅なので、自分のペースで行くのもなかなか難しかったです。
でも、無理をしては続かなくなってしまうので…休み休み登りました。

森の中は涼しくて、人が通るところ以外は殆ど、苔に覆われています。
屋久島には、約1600種類もの苔が生息しているそうです。
数年前に京都の苔寺に行った時、あまりの苔の美しさに感嘆しましたが、あの美しい苔寺でもせいぜい200種…1600種なんて〜!考えただけでスゴイ!
流石に色の深みが違います。
緑って、こんなにも幅が広い色合いだったのか〜と感動しました。
これは、実際に見てみないと解らない色合いだと思いますが、苔の種類によって色が違っていて、更に水分の多い部分、少ない部分と微妙に違いますし、群生している所、数種類が混在している所、生えている木の種類、場所…同じ色は1つとしてないという位、どこもキラキラ輝いて美しい緑です。

mizugoke.JPG
mousenngoke.JPG

左の写真がミズゴケです。フワフワです(^w^


手触り重視の毛並みフェチであるちりとしましては、触り心地も確かめずにはいられませんでした(笑)
スギゴケの仲間はフサフサしたネコの尻尾のような…気持ちよい手触りでしたし、ミズゴケはスポンジのようにふわふわしていて不思議な触感でしたし、名前も解らない苔も、とりあえず触ってみました。
ハエなどを捕る食虫苔は…何と無く、遠慮しておきました(^^;

sugigoke.JPG
sugigoke2.JPG





willson_kabu.JPG縄文杉の手前に、ウィルソン株という大きな切り株があります。ウィルソンさんが見つけたので、そういう名前になったそうです。
写真では全くスケール感が出ていませんが、中に20人くらい入れる空洞があって、上に大きな穴が開いています。その穴を在る場所から座って撮ると、ハートの形に見えます。
中には綺麗な水がチョロチョロと流れており、細かい砂が堆積していました。

神棚もありました。こんなに大きな木だから…切った時に何かあったのでしょうか?



willson_kabuana.JPG切り株なので当然の事ながら、はるか昔に切った人が居る訳なのですが…一体全体、どうやってこの巨木を切り倒したのか…データラボッチみたいな、でっかい人が切ったんじゃないか…と思えるほど、本当に大きな大きな切り株でした。

ウィルソン株の穴→ハートに見えますか??



jomonsugi.JPG目的の縄文杉も、写真に全貌を収める事が出来ないほど大きかったです。
しかし、観光客が多いせいで随分痛んでしまい、近づけないよう整備され、木のデッキの上からしか観察できませんでした。




仕方の無いことですが、ちょっと興ざめと言いますか…(^^;作られすぎている空間が残念でした。
傷ついて痛々しい木の幹も、踏み荒らされて苔が剥れてしまっている根っこや地面も、悲壮感があるというか…ちりにはそんな感じに見えました。
「ごめんね」って、言いたくなってしまいます。



ちりは森にいる間中、気付けば「ごめんね」を連発していました。
支えにさせて貰っている木の根っこや枝に、踏みつけている石や根や苔などに…目には見えないものたちに…何だか、人間が踏み込んではいけない場所に来てしまったような。。。
そこに居ることは勿論、とても気持ち良くて清々しい気分なのですが、森に相容れない異質なものの「自分」に対しての違和感も常に付きまとっていました。
都会生まれ、都会育ち、日々人工的なものに囲まれて、人に流されている自分は、やっぱり野生を失って、廃れています。それを感じずには居られませんでした。
もっと長い期間、屋久島で生活できていたら、感じ方も違っていたかも知れません。結局は、森の波長に自分を合わせる事が出来ずに、帰ってきてしまったという感じで残念です。



縄文杉の帰りは、何故か凄く元気になっていました。
持病があって普段は疲れやすく虚弱体質ですが、空気が綺麗な場所での運動は自分にはとても良かったと思います。

加えて、自分が下り坂は得意なのだという事を知りました。
登りはあんなに疲れていたのに、下りはスイスイ進めました。それは、どの登山道でも同じでしたが…10時間というトレッキングの後半の方が元気だなんて、自分で言うのも何ですが、意外でした。

でも流石に、筋肉痛は免れませんでした…(^^:大した事は無く、一日でほぼ治りました。



siratani1.JPGちりが一番気に入ったのは、白谷雲水峡です。
ジブリ映画「もののけ姫」のシシ神の森のモデルになった、と言われている場所で、息を飲むほど苔の美しい所です。苔好きさんには、オススメ!!!
太古岩へ行くコースは往復6時間くらいで、足場は悪いですが、縄文杉のコースより楽でした。


koke3.JPG
koke1.JPG



白谷雲水峡は丁度雨の降った次の日に訪れた事もあって、緑が元気で眩しかったです。
静かで涼しくて、湿っぽいのですが、全然嫌な感じがしません。マイナスイオンが漂っていそうな…気持ちの良い空気に満たされています。
本当に苔だらけ。
自分も長い間そこに居たら苔が生えてくるんじゃないか…と思うくらい、全てが苔に覆われていて、優しい感じです。

koke2.JPGそう、苔って、優しい感じなのです。
石の上にも、切り株の上にも、苔が生えて小さな森を作っています。そこに落ちた種が育って、木の子供達がワイワイ、ザワザワしています。
想像も出来ないほど長い年月の、命の積み重なりと繋がりが、そこには見えました。
普段の生活では得られない安心感と、充実した「死」と「生」の在り方を見たような気がしています。

chibisugi2.JPG
shabon.JPG



シャボン玉を持ってきて、吹いている人がいました。
苔が湿っている為、落ちても壊れませんでした。



chibisugi.JPG
koke5.JPG


左側は、杉の子供の写真です。これで4歳くらいだとか…屋久杉は成長が遅いらしいです。


ちりは数年前から、「森のような絵を描きたい」と思い続けてきました。
「森のような」というのは、具体的な森そのものと言うのではなく、絵の在り方としての抽象的な意味合です。
元々、具体的な目標を定める事が苦手なちりにとってはそれが、常に追究し続ける課題であり、命を懸けて貫き通すに値する志です。
以前、ブログに掲載した「全てを含んで 過不足無く」は、自分の目指す「森」の在り方を示唆するものです。
自分がイメージしていた「森」に極めて近しいものを、屋久島の中で見つけたのだと、今はそう思っています。

siratani3.JPG
siratani5.JPG





taikoiwa3.JPG白谷雲水峡の山の天辺にある太古岩の上は、すごく怖かったです。
十数人が登れる広さはありますが、高所恐怖症の方にはちょっとオススメ出来ません(>_<)
山が唸っている様な音がするくらい、とても強く風が吹いていて、端の方へ行くと、遥か下方に広がるすり鉢状の渓谷に引き込まれそうな気がしました。
高所は恐怖症というほどでは無いんですが…平衡感覚が鈍いので丸い岩の上は足場が悪い気がして、落ち着きません。

結局、座って写真を撮りました〜(笑)




taikoiwa.JPG岩の上には本当にたくさんの人が犇めき合っていたので「上に乗った人の重みで、この岩がグラっときたら…怖いよね」とTちゃんに話していたら、後ろに居た人に「それは怖い!」と同感されました(笑)
でも、それくらい、不安定な場所にちょこっと岩が乗っている…という感じだったのです。
屋久島の山には、その様に山の天辺に唐突に巨大な岩が乗っかっている…というのが多いようです。
幾つか写真を見せて頂きましたが、食パンを切った様な(現地の方は豆腐岩というらしい)変てこな岩もありました。



白谷雲水峡に流れていた激しい流れの川は、岩というか、地盤というか…そういうものの上を勢い良く流れていました。
途中の岩の上に乗っている不思議なベンチは、とても人工的な作りでしたが何故か違和感も無くそこに在り、居心地が良かったです。ベンチに腰掛けてのんびりした一時がステキでした。

吊り橋の下に流れる川は浅くて、丸い岩がゴロゴロしていました。
水が綺麗過ぎて、写真には上手く写りません。その中を歩いて渡ってく雄鹿を追いかけたり…川の真ん中の岩の上でおやつを食べました。



siratani2.JPG
siratani6.JPG




川を雄鹿が渡っていく写真は、水の透明度が高い為に、ただの砂利道に見えますが…浅い川です。水深20cmくらいです。




kigensugi.JPG屋久杉ランドは、紀元杉へ行く途中に在る森で、トレッキング向けの道というよりは、散歩道という感じでした。普通の靴やサンダルでも歩けそうな道です。ただ、雨が降ると足元が滑るので要注意。
本格的な登山の出来るコースもあるようでしたが、一日2本しかないバスで行ったので、時間の都合で短めのお散歩コースを選びました。

この写真は、紀元杉です。

人が少なく、とても静かで落ち着きました。
キノコがたくさん生えていたりして…白谷雲水峡や縄文杉とはまた違った雰囲気で新鮮でした。
しっかり整備はされていましたが、鬱蒼とした印象は一番強く受けました。古いので、看板など色々なものが朽ちて苔むしているのも影響しているかもしれません。
人が少ないせいもあるのでしょうが、森の香りは一番良かったと思います。



turibasi2.JPG滝を見に行った日に立ち寄った、キャノピーという手作りのアスレチックのようなものも楽しかったです。森の木に吊り橋や階段などを付けて、木の上を散歩できる施設です。
高い所で9メートル…怖いという程でも無いのですが、ロープと間伐材の材木で出来た吊り橋など手作り感満載で、ある意味スリルがあります。

kinoue.JPG
turibasi3.JPG


キャノピーの上から見る景色は、なかなかの絶景でした。
真ん中の写真は、キャノピーを横から見たところ…かなり高い位置に設置されています。



treehouse.JPGそれでも、木の上の植物や昆虫を観察したり、木の上から森林越しの海を見下ろしてみたりしている内に、直ぐに慣れて楽しくなってきました。最後はツリーハウスでお茶をしました。
こんな森の楽しみ方も良いな〜と思いました。



豊かな屋久島の森は、とっても魅力的でした。
ついつい、長く語ってしまいました。。。(^^;>



次回は、海や食べ物などを紹介したいと思います。

その後2回くらいに分けて、動物と皆既日食の事を書きたいと想います。
森の話も、2回くらいに分ければ良かったかな〜(^^;


buddasugi.JPG
denwa.JPG


この写真は、おまけ。
仏陀杉…の、こぶの部分…ETの横顔に見えませんか??
もう一枚は屋久杉をくり貫いて作られた、電話ボックスです。
posted by ちり at 19:10| Comment(0) | 旅の記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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